ドライアイスについて
炭酸ガスを固化成型した、固形二酸化炭素の商品名で、(1925年に工業的大量生産に成功した、アメリカのドライアイス・コーポレーションの商品名)
-78.9℃の純白大理石のような固体のことです。
我が国では、1928年同社から製造販売権を得て、日本ドライアイス株式会社
(後の昭和炭酸株式会社)が設立され、製造販売が開始されました。
当社は昭和炭酸株式会社の直販会社:昭炭商事株式会社
(株式会社レゾナック・ガスプロダクツ)と、代理店契約を締結しております。
ドライアイスの性質
ドライアイスの冷却力は0℃の場合1kgに付き152kcalで、氷(80kcal)の約1.9倍の能力があります。また固体から直接気体の炭酸ガスになることから、氷のように冷却物を水で濡らすことがありません。
また表面温度が-78.9℃で、アイスクリームや、冷凍食品などの低温保管保存に最適な寒剤です。
ドライアイスの欠点は極低温であるため短時間で昇華(個体から液体を経ず気体になる)します。
昇華時の発生ガス量は0℃の場合で、もとの体積の約750倍、1kgのドライアイスで約0.5m3のガスが発生し、
密閉容器の場合のガス圧は70kg以上に達しますので、耐圧容器でない場合は破裂し非常に危険です。
しかし通常は(密閉容器でなければ)、炭酸ガスはガムテープやポリ袋のシール、
冷蔵庫のパッキンの隙間等からガス圧で自然に抜けていきますので、怖がる必要はありません。
スモーク(白雲)は約80℃の湯に1kg投入して70分程発生します。
発生時間、スモークの濃度はドライアイスの砕き方、大きさ、湯温により左右されます。
ぬるいお湯、常温水ではドライアイスに接する水が凍結して、
氷の幕がドライアイスを包むことから、スモークの発生を妨げ、連続的な発生は望めません。
持続的なスモークの発生が必要な場合は高温且つ多量な湯、または追い湯、湯の交換が必要です。
また、スモークは容器全体から噴きこぼれるように発生し、
周囲に拡散するため、望む方向へのみ流すためには、工夫や装置が必要となります。
炭酸ガスは水に溶けやすく、弱酸性の刺激臭を発生させますので、
生クリームなど、水分の多い食品に酸味が移ることがあります。
箱内が酸欠となるため、生きた食材等の輸送には向きません。
生ものは近づけすぎると、凍結する危険があります。
ドライアイスの用途
・実験、理科の自由研究(台風作り、雪の結晶作り、ラムネ、シャーベット、アイスキャンディー、アイスクリーム作り、ロケット発射など)
・冷凍食品、アイスクリームや工業医薬品の保存、輸送
・結婚式、パーティー、カラオケなどのショーの煙演出(スモーク、白雲)
・ドライアイス洗浄マシーン
・溶接に適さない金属部品の接合(冷やし締め)
・渋柿の渋抜き
・コクゾウムシなどの安全な害虫駆除
・食品等の冷却凍結
・停電や故障した冷蔵庫、冷凍庫の温度保持などに使われます。
ペットのご遺体保存
必ずお棺を作ってあげてください。素材は段ボール箱でかまいません。
お棺には愛用のタオル、毛布、ペットシーツを敷いあげてください。
お棺を作ってあげることでドライアイスの冷気が室内に拡散されることが抑えられ、
ドライアイスの保冷効果が持続し、ドライアイスの昇華速度も抑えられます。
ドライアイスはタオルでつつんで、お腹に抱くように置いてください。
中・大型犬には在りし日の姿をとどめるため、頭部付近の首の辺りにも置いてあげてください。
中、大型犬:5kg お腹に 2.5kg 、首の辺りに2.5kg
ドライアイス設置後は、愛用のタオル、毛布等で覆ってあげてください。
ドライアイスは翌日には全てガスになっています。
別れを惜しむため2日、3日、4日手元に置きたい場合は、日数分上記の重量が必要となります。
ドライアイスは保存がきかないため、まとめて一度ではなく、複数回に分けてご注文ください。
冷凍庫に入るようであれば、翌日分を収納いただくこともできますが、
冷凍庫でも目減りしますので+4割前後必要です。
また、凍結済み保冷剤を併用することで2、3時間効果を延長することが出来ます。
ドライアイスの捨て方・処分
ドライアイスは換気のよい、玄関やベランダ等で自然に気化させてください。ドライアイスは約 -79℃の超低温のため、直接素手でさわったりしないで乾いたタオルなどで摘まみ、 新聞紙などで包んで捨ててください。
ドライアイスのお勧めの捨て方・処分方法
ドライアイスは二酸化炭素を固化成型した物であり、気化(昇華)すると二酸化炭素に戻ります。小中学校で習った【光合成】を思い出してください。二酸化炭素は植物にとって重要な栄養源です。
植物は光のエネルギーで二酸化炭素と水からデンプンを合成し、副産物として酸素を放出します。
地球が生まれたばかりの頃は酸素は少量しか存在せず、動植物が生存できる状態ではありませんでした。
植物の先祖が光のエネルギーで二酸化炭素と水から酸素を生成し、地球を現在のような酸素に満ちた星に作り変えました。
地球温暖化が騒がれ、二酸化炭素は邪魔物扱いされがちですが、二酸化炭素は実は酸素を生み出す重要な材料です。
ドライアイスは二酸化炭素を発生させるので、脱炭素社会に逆行すると心配される方もおられますが、
元々ドライアイスの原料である二酸化炭素は化石燃料などから様々な物質、製品を作る過程で発生し、
大気や河川に放出されていた廃棄物を精製して作られているため、
ドライアイスの製造により地球の二酸化炭素が増加するわけではありません。
むしろ廃棄されていた二酸化炭素を固形化することで再利用しています。